フェールセーフとフールプルーフって何?違いは?あー、なるほどね!と分かる意味・解説

フェールセーフとは?

フェールセーフ設計って何でしょう?

機械設備などを取り扱う際に、機械や生産設備、装置などが故障した際でも人間に危害を加えないように安全を第一に考慮してシステムを設計することを意味します。

これは、機械やシステムは必ずいつかは壊れますよね、という前提のもとに考えられた概念です。

安全を第一に考えた上で、それでもシステムを継続して稼働できるような仕組みまで構築できているのがベストですね。

工場の生産設備はトラブルで稼働停止に見舞われると、多かれ少なかれ損失が大きいって言いますからね。

例えば、お菓子工場なんかに現調(げんちょう)に行った際に、担当者の方に「今ちょっと生産の指令が本部から入っちゃって、、あと1時間くらい待ってもらえますか、、??」とか言われたりします。

「えー!? ちょっとムリですね。」とか言えないのでそこは生産優先でこちらは待つしかないということです。

ちなみに、現調(げんちょう)って新しい設備を導入するために現場を調査することです。現場調査は、既設の設備の配置や寸法取りとかをしておいて、あとで新設機器を図面に落とし込めるようにあらかじめ調査しておくことですね。

ということで、フェールセーフ設計とは機械のトラブル時に人間様に危害を加えないような仕組みを第一に考えておくことという意味です。

フールプルーフとは?

それでは、フールプルーフ設計とは何でしょう?

これは例えば工場などで操作員が機械を誤って使用してしまったり、誤設定をした場合でもその機械やシステムが操作員に危害を加えないように設計することです。

そもそも誤使用した場合は、使用自体が出来ないように配慮したりします。

どんなに優秀な人間でも「完璧人間」はいないわけです。

すなわち誰でも多かれ少なかれ「間違い」を犯すわけです。

「人間はミスしちゃうよね」という前提のもとに、それを考慮してシステムを組んでおくことですね。

生産設備やシステムを組むうえで、めちゃくちゃ重要な考え方です。

フェールセーフもフールプルーフも安全工学の分野の概念ですね。

ちなみに、安全工学とは人々が安全第一の生活が営まれるように工業などの産業分野において社会インフラやシステムが事故や災害を起こしにくい仕組みを研究することです。

フェールセーフとフールプルーフの違いは?

それじゃあ一体この2つの言葉の「違い」って何でしょうか?

フェールセーフもフールプルーフもどちらも機械を取り扱う上で、「安全第一でいきましょう」という概念です。

フェールセーフは英語で書くと、「fail(故障)」と「safe(安全)」をつなげた造語です。

「故障しても、ゼッタイ安全第一でヨロシク頼むよ!」というのを強調しています。

一方、フールプルーフはというと、「fool(愚か者)」と「proof(に耐える)」をつなげた造語です。

めっちゃ愚か者が使い方ミスったとしても、それに耐え得るだけのめっちゃ安全なシステムでいこうぜ!」というニュアンスですかね。

つまり、フェールセーフは故障前提の考えで、機械が故障したとしても安全はしっかり担保してリスクは最小限に抑えるよということ。

フールプルーフは、人がミスっても操作できない、あるいはミスっても安全性は担保されますよということ。

フールプルーフの方が、「人の失敗が介入」しているのに対して、フェールセーフは「機械自体が故障やトラブルとなる」という意味合いです。

どちらも「何かネガティブな事」が起こっても、安全を担保するように配慮された設計を構築しようということですね。

生産設備を新しく導入する際は、この2つの概念は必ず時間をかけてでも考慮していかないといけない事項ですね。

それじゃあ、ここからは具体的な例を見ていきましょうか。

フェールセーフとフールプルーフの具体例

フェールセーフの具体例

・踏切が誤作動で上がらない、又は踏切内に閉じ込められた際に手で持ち上げて逃げられる

・異常検知の電車が、緊急停止する

・地震でストーブが倒れたら、稼働停止する

・自動車で事故ったら、エアバッグが飛び出す

あと、もしもの為に保険に入っておくとか、もしもの為に小学生の子供に防犯ブザーを持たせておくのも機械や生産設備とは無関係ですが、「フェールセーフっぽい」考え方ですね。

トラブル時の予防策です。

次に、フールプルーフの方はどうでしょうか。

フールプルーフの具体例

・ブレーキを踏んでないと自動車のエンジンをかけられない

・目の前に障害物があるのに、自動車のアクセルを踏むと緊急停止する

・お風呂の「追い炊き」しても湯舟が空なら、検知して停止する

・長時間コンロの火を消し忘れると、そのうち停止する

人が操作をミスったら次の動作に繋がらない、又はミスっても安全を担保するように設計されていますね。

こう見てみると身近なものから、安全を考慮して機器類が設計されていることが分かります。

それじゃ次に私のフールプルーフっぽい体験を紹介します。

危うく詐欺業者にクレジット情報もってかれるとこだった、、、

ある日、在宅ワークで仕事していてパソコンで調べ物をしていると、急に「あなたのパソコンがウイルスに感染されました」みたいな警告画面が出てきました。

「え!?どないしよ~、、」と思っていたら、有償サポート画面が表示されウイルス感染を除去してくれるとのこと。

嬉々として、クレジット情報を登録しようとしました。(もうアホデスネ、、)

すると登録ボタンを押しても押しても次に進めません。

いくらやってもダメです。

そのためクレジット会社に電話すると次のようなことを言われました。

「お客様がクレジット情報を登録しようとされているサイトは、サポート詐欺として国民生活センターに情報が記載されております。その為、登録しようとしても登録できないように弊社の方でシステムされております」

「ナ、ナニ~!!?」

ということで危うく詐欺サイトにクレジット情報を持ってかれるところをクレジット会社に助けてもらった形になりました。

これも私が、「詐欺サイトである」ことを見抜けない「過ち」を見越して、安全性を担保してくれている「フールプルーフっぽい」対策の1つですね。

それにしてもアブナカッタ。。

あなたも是非気を付けてください。

ということで、今回はフェールセーフ設計とフールプルーフ設計の意味を解説しその違いを記載してみました。

☆復習☆

フェールセーフ

機械設備などが故障した際に、人間に危害を与えないように考慮して設計すること。

フールプルーフ

人間が機械設備などで誤動作、誤設定をした際にも危険が及ばぬように考慮して設計すること。又は誤動作の際はそもそも稼働できないように設計すること。

より安全で快適な設備計画を立てていきましょう♪